盂蘭盆会(うらぼんえ)
~ 施餓鬼供養 ~

令和元年8月16日は、「彼の世(あのよ)」からお帰りになったご先祖様の御霊を再び送り出す日です。光明寺では毎年この日に新盆(この一年に仏となった仏様の初めてのお盆)供養と共に、施餓鬼供養を行っております。

当日は朝から弱い雨が続き生憎の空模様でしたが、供養の為にご親族の皆様は朝早くから光明寺にお参り下さいました。

供養に来られた方には一年の内その日にしかお見せしていない『十王経』の世界を描いた掛軸をご覧いただいております。

『十王』とは死後『地獄』において死者の魂を審理する十尊を指します。魂は輪廻転生の輪の中にあって生まれ変わると信じられています。十王は死後七日ごとに魂の生前の『罪』を審理し、六道のいずれに魂を転生させるかを決めます。この六道と言うのは「天道、人間道、修羅道」の三善道と「畜生道、餓鬼道、地獄道」の三悪趣(三悪道)に分かれます。

三十五日目に審判する『閻魔王』は日本では『地蔵菩薩』であり、魂が六道のいずれに転生するか、その行き先を決定します。墓地の入り口や村の境、街道の分れ目などに「お地蔵様」が祀られるのは、その役割ゆえの事です。

十王を描いた掛け軸は私達が常に抱いている『罪と罰』への恐れを思い起こさせることで、『善行』へと導く経典と言えるでしょう。

審理の日十王本地(仏)
初七日(7日目)秦広王不動明王
二七日(14日目)初江王釈迦如来
三七日(21日目)宋帝王文殊菩薩
四七日(28日目)五官王普賢菩薩
五七日(35日目)閻魔王地蔵菩薩
六七日(42日目)変成王弥勒菩薩
七七日(49日目)泰山王薬師如来
百か日(100日目)平等王観音菩薩
一周忌(2年目)都市王勢至菩薩
三回忌(3年目)五道転輪王阿弥陀如来

法会は新盆のご供養と共に施餓鬼供養が行われます。

新盆の御供養は、亡くなられから四十九日を過ぎて仏となった故人が迎える初めてのお盆供養です。また施餓鬼供養とは「餓鬼道」に堕ちて苦しむ亡者に施しを行う「善行」により、ご先祖様や自らを救済する為のご供養で、光明寺では毎年8月16日に新盆供養と共に催しています。

施餓鬼供養には、「執着を捨てましょう、こだわりを捨てましょう」という教えが込められています。それは「執着」が心を苛み(さいなみ)苦しめる元凶であるのだから、それを捨てる事で初めて苦悩から解放されるという教えです。

その「執着」は物やお金に対してだけでは有りません。身の回りにある「愛」さえも時には執着の対象になります。施餓鬼供養はそうした心の仕組みを考える良い機会では無いでしょうか。これは近頃の流行り言葉『断捨離』と同じ考え方です。

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